ノコノオト noko_note

nokoの雑記帳  あれこれつれづれ

彼女に関する十二章  中島京子/著 を読みました

1954年伊藤整の「女性に関する十二条」が

ベースになっている作品。

 

読んでいるうちに既視感を感じました。

この場面もあの場面も映像として現れます。

土手で凧をあげるところ、

自販機で買ったお汁粉缶で暖をとるところ。

ドラマ化された作品なのかしら?

調べてみてもそれらしい情報はありません。

 

「雨があがった」シーンからのはじまり、

「あがった」ことは雨だけではなくて

主人公の体や暮らしにかかわってくる様子が

うまくつながっていくなぁと思いました。

中島京子さんの描く家族像は独特のようで

身近なようなのが面白さだと思います。

今だから、主人公の気持ちに寄り添える部分があるけれど

30代のころに読んだら理解できないこともあったかもしれません。

読書の旬を感じた一冊でした。