美術館の春まつり2024 その②です。
名所も名画も花ひらく
年に一度のはるまつり。
花の絵ではないけれど、楽しみにしていたんです。
「樹を見上げてⅦ/日高理恵子」
樹を見上げると感じるなにか不安定な、そして不思議な空間に惹かれた作者は自分のまわりの空間、自分を包み込んでいる空間そのものの表現を求めて大画面の作品を制作しはじめたそうです。
作品前に置かれた畳敷きに座ってみるとお寺さんに居てその庭を眺めているような、温泉宿で湯上りにほっこり外を眺めているような、いろいろな感じがします。 はじめてこの作品を観た時は写真だと思っていました。 何度か目にする機会があったものの写真だと信じて疑わず細部まで見ることがなかったのですが、ある日近寄ってみるとこれは描かれた樹なんだとわかったとたんに驚きとともに、すーっと空気が変わったような気がしました。 モノトーンで曇り空のようだけれど枝の先に光がさしているようにも見えます。 樹木の距離感や空間がみごとで森の中にたたずむ自分を感じました。
こちらは斎藤豊作の「白い花の樹」です。
樹の種類は違うけれど、我が家のベランダから見えるしだれ桜を見ているようで、すこし弱々しくはかない感じがするけれど数年後には大きくなるだろうと絵の中の樹に未来を感じました。
満開の桜、散る桜の絵を観ていてもその枝ぶりに目がいきます。
どの絵も生きているように見えて枝を揺らす風を感じます。
描いた画家のパワーが風を吹かせているのかもしれません。
春の木々の作品を楽しみましたが、
春まつりその③へ続きます。
その①はコチラから ↓