ノコノオト noko_note

nokoの雑記帳  あれこれつれづれ

三橋節子の世界  京都・滋賀の旅⑦

大津市にある三橋節子美術館の展示室に入り、

「青い風」(1968年11月作)に引き寄せられた。

他の作品を見ていてもそれが気になり再び作品の前に立つ。

描かれているのは、山紫陽花と吾亦紅。

タイトルのように青色がベースの作品。

絵の中から風が吹いてくる。

 

 

たしかにそう感じました。

そう思ったとき、なぜかジンと切なくなり涙ぐんでいました。

悲しいわけでもないのに、ふしぎな気持ち。

 

 

大津市「長等創作展示館」の中にある三橋節子美術館のことは

いつも拝見しているブログで知り

今回の旅の行き先のひとつになりました。

 

ぜひ作品を直接見てみたいと思い、

私も美術館を訪ねてみたのです。

 

www.city.otsu.lg.jp

 

 

その日は、「三橋節子が描いた三つの世界」展が開催されていて、

「野草」「インド人物画」「近江昔話」をテーマにした作品を

拝見することができました。

 

 

白色の使い方が特徴的だなと思ったこと。

インドの人たちを描いた作品が秋野不矩に似ていると感じたこと。

 

後で調べると美術学校時代に秋野不矩に学び、

白色の使い方、生き方においても学ぶことが多かったそうです。

 

かつて、浜松市秋野不矩美術館では

二人展を開催したこともあったようです。

 

 

お子さんたちをモチーフに描いた作品を見ていると

若くして亡くなった画家の画家としての仕事の中に、

親としての力強さを感じずにはいられません。

 

野草を描いた作品にさえも、

子供たちが手折った花なのかもしれないと感じ

そのときの家族の微笑ましい様子を想像します。

 

 

描かれた人物の目線の先にあるものは、

映っていたものは何だったのだろうか。

 

その絵を観ている、ワタシには何が見えているのだろうか。

 

展示室の空間で、禅問答をしているような、

答えがあるわけでも、答えがほしいわけでもないけれど

考える時間があることをありがたく感じました。

 

初めての絵との出会いはこの上もなく素晴らしく。

大事な思い出のひとつになりました。

 

 

 

美術館では絵葉書を買い求めたのですが、

雨の日だったので、「濡れるといけないので」と

ビニール袋を何重にもして手渡して下さいました。

 

帰り際には、

「玄関前の花壇には節子さんが好んで描いた花たちが植えられています。

 よかったら眺めていってください。」

「この後は、どちらへいかれるご予定ですか?」と聞いてくださり

近隣マップに印をつけて、

「商店街を通って大津駅に戻るといいですよ」と親切に教えてくださいました。

 

その時は、「商店街を」は、

お土産探しに、ということかと思っていたのですが、

通ってみて館の方のご親切が身にしみました。

そのことは、また改めて書きたいと思います。

 

旅のこと、まだ終わりそうもありません。

 

長々とごめんなさい。🙇