アンカルネシルブプレ 「回数券をください」
堀内誠一さんの
「パリからの手紙」か「パリからの旅」を読んで
ボンジュールやメルシーの次に覚えたフランス語です。
雑誌アンアンのパリ特集を読んで、がぜんパリに行きたくなった19歳の私。
初めての海外旅行は一人旅。
でもパック旅行だったので何も困りませんでした。
そしてその時の添乗員さんに
「海外旅行を一度体験すると病気になります。
すぐに海外に行きたくなる病気です。
それを治す方法はただ一つ、また海外旅行へ行くことです。
次回もぜひわが○○旅行社で海外旅行をお楽しみください。」
というセールトークにまんまとはまり、
旅行会社は違えども、
すっかり海外旅行病にかかってしまった20代から30代でした。
3度目のパリはHapoさん(母)と一緒に南フランスと合わせての
ツアー旅行でした。
前半の南フランスはパック旅行団体行動でしたが、
それにパリ3日間をオプションで加えて
Hapoさんと二人でパリの街を闊歩しました。
メトロの切符売り場ではHapoさんに回数券を買ってもらいました。
「アン カルネ シルブプレ」
Hapoさん初めてのフランス語は、
ちゃんと通じて回数券を手に入れてご満悦。
回数券を手に持って記念撮影をしたおのぼりさん二人でした。
その切符を使ってメトロに乗ってパリをうろうろ。
途中、メトロのなかで二人連れの男の人がHapoさんが背負っていた
ディパックに近寄って来たのに、気づいたHapoさんは
私に「なんか変、ファスナー開けようとしているみたい」と伝えてきたので
Hapoさんをすぐに私の後ろに引き寄せたら、
その二人連れは慌てて次の駅で降りていきました。
Hapoさんのディパックにはガイドブックが一冊入っていただけだったので
盗るものなんてなかったのにね。
暴力を振るわれる心配もあったから
何事もなくてよかったと胸をなでおろしました。
堀内誠一さんの本と出合ってパリへ出かけたことを
思い出したのはまもなくこの展示が始まると知ったから。
絵本作家としての堀内さんはなじみが薄いのですが
象さんの絵には見覚えがあります。
堀内さんの独特な文字も生原稿で見ることができるのかしら。
パリにはもう行けそうもないけれど
近代文学館へはなんとか行けますように。