益田ミリさんの「おとな小学生」を読みました。
表紙の絵は
小学生のミリさん:「こどもにもどりたい?」の質問に
おとな(40歳代)のミリさんが
「こども、まだのこっているヨ」と答えています。
60歳代のワタシにもまだまだ「こども」が残っています。
「こども」でいるって悪きことではないですよね。
この本は、
子供時代のことを思い出の絵本ととも
にエッセイと漫画で描いた一冊です。
この組み合わせ、
編集者の提案だったのでしょうか。
ミリさんだからこその本だと思います。
幼いころに出会った(読んだ)絵本は
有効期限のない切符のようだとミリさんは言っています。
この本を読んだ人が自分ももその切符をまだ持っていて
どこへ行くことができるだろうかと思わせてくれます。
読み終わると、新たな切符を手に入れたように感じました。
「ふたりはともだち・アーノルド・ローベル作」のエピソードはあまりにも切なくてそこに登場するその絵本を貸してくれた同級生を思うと、もしワタシならその話を人に言えないし、それを作品に昇華させることはできないと思うのだけれど、それがミリさんの魅力なんだと思います。
いろんな人に思い当たるフシを、
こころが塞ぐような出来事を、
目に見える形で描いてくれることに
共感できるのだと思うです。
晴れた日の天井に映る光と影のゆらめきを見て
いい季節になったと思う。
なんてことないこの景色のことも
ミリさんなら
作品にしていくのかもしれないと思うのです。