毎日とはいかないけれど、頻繁にHapoさん(母)に
会えるようになりました。(1回10分ですけれど、、、)
会う回数が増えるとエピソードも増えてきます。
Hapoさんに会いに行くときは
できるだけ明るい色の服を着るようにしています。
病室の味気ない景色の中で過ごしているので
少しでも色味のあるものを見て気分転換になればいいなと
思ってのことです。
ある日は黄色のタートルシャツにストールを合わせました。
「いい色ね~」と言いながら腕のあたりの布だけを
指先でつまむようにして触っていたら、
しばらくすると、私の腕の皮膚も一緒につまみます。
痛いよ~ Hapoさ~ん と言っても
「ふふふ」と笑っていてやめません。
痛いってば~と笑いながら言うと
「だってイタズラしてるんだもん」とHapoさんも笑っています。
その時のHapoさんたら、
もう、ほんとうにいたずらっ子の顔なんです。
何度目かでやめてくれましたが、
「握手でバイバイバイ~♪」とさよならするときも
握手していた手を伸ばして、また私の腕をツマミます。
もう! Hapoさんたら~。
見つかっちゃた~という感じでキュッと目をつぶって
えへへ~と笑っているHapoさん。
そして何もなかったようにすまして
「気をつけて帰るよの~」と送り出してくれました。
青地に小花柄の長袖ブラウスを着て行った日は、
「もう、長袖なのね。 いい柄ね~」とやはり袖をさすります。
またつままれちゃうかなと思っていたら、
「どこで買ったの? それとも自分で作ったの?
胸にポケットもついているのね。
切符をいれたりするのに便利そうね。」
そうね~、ポケットに切符いれて一緒にお出かけしようね。
「お出かけはしなくてもいいけど、一緒に食事に行きたいわね」
それって、おでかけじゃあないの? と思ったけれど
電車に乗らなくていい、ということなんだろうなと思って、
それじゃあ、車椅子に乗って出かけたいね。
「そうなの、車椅子に乗りたいの。
でもね、看護師さん不足で付き添ってもらえないから
なかなか乗る機会がないのよ」
そうなのよね。
Hapoさんが「今、乗りたい!」という時にすぐに対応できなくて
やっと手が空いて看護師さんが来ても
Hapoさんの気持ちは萎えてしまって
「もう、いい」となることが度々あるのです。
面会のときに、私が車椅子に移乗してあげたいのですけれど、
「それは、いい」=No Thank you.
とHapoさんはいいます。
信頼ないのよね、ワタシ。
半年ほど前は会話が続かなかったのに
近頃は自分からおしゃべりしてくれることが増えました。
心の宝箱に嬉しいエピソードが増えています。