日曜日(9/3)にHapoさん(母)に会ってきました。
看護師さんから母の様子を聞きながら病室へ入っていくと
「なに? 何を話していたの?」と聞いてきます。
耳が遠いながらも何か話しているというのはわかるので、
その内容が気になるのです。
看護師さんが、
「最近は食事を全部召し上がるようになってきました
とお伝えしていたんですよ」
「そう、しっかり食べないといけないと思ってるのよ」
あら、嬉しい、食べる意欲が出てきたのね~。
「そうなんですよ、顔色も声の張りもよくなって、
ご家族との面会が増えてからぐっとよくなりましたよね」
すると、Hapoさんが
「時間ないから、おしゃべりしなきゃ~」
と看護師さんの話を遮ります。
面会時間が10分しかないので、看護師さんと話していると
時間がもったいないと思ったらしいのです。
「あら、ごめんなさいね。
ご家族でゆっくりお話ししたいですものね」
「そう、そう。
お仕事忙しいだろうから、もう戻りなさい」
ですって!
「こんな風に軽口を言えるようになったのも
元気になった証拠ですね~。 では、ご家族でごゆっくり。
タイマーセットの時間はおまけしておきますからね。」
と、笑いながら部屋を出た看護師さんです。
一緒にいたオットもケラケラ笑っています。
それを見ていたHapoさんが、
「オットくん、笑いすぎ、頭も禿げすぎ、ピッカピッカポーン」
と節をつけていいます。
「Hapoさんには、敵わないなぁー」とまた大笑い。
その日持っていた布バッグはピープルツリーで買った
リサイクルサリーを使ったものだったのですが
チクチク運針見て、「自分で作ったの?」と聞いてきます。
これはね、バングラディシュの人が作ったのよ と答えると
「外国の人の支援に買ったのね」といいます。
ちゃんとわかっているのね~。
「nokoちゃんが作ったものはないの」
バッグの中身をごそごそと見て、ポーチをふたつとりだすと、
「これとこれは、nokoちゃんが作ったんでしょう。
すごいわねー。 この差し色が効いているわね」
ひとつは古布を使ったパッチワークのミニトートで、
もうひとつはアイヌ刺繍のポーチです。
きっとHapoさんが見たがると思って作風が違うものを
選んで持ってきたのです。
「何が入っているの? 開けていい?」
ファスナーを開けて中身を覗きます。
ポーチの方にはHapoさんの保険証が入っているのよ。
病院に月に一度見せないといけないから持ってきたの。
パッチワークの方にはと言おうとすると、
そちらにはファスナーがついていないので、上からちらっと見て
「nokoちゃんの財産ね」
そうそう、お財布が入っているものね。
ひとしきり手作り小物を見ていたら、
「今日は食べるもの持ってきていないの?」
やはり、目当てはそれでしたか。
今日も持ってこれなかったの。
先生(医師)が、いいよって言ってくれないと持ってこれないのよ。
先生からの許可が出たらすぐに持ってくるからね。
きょうは、ごめんね。
ワタシがごめんね、というと
「nokoちゃんが謝ることじゃあないから、いいのよ」
と言ってくれます。
食べたい気持ちが高まっている今、
思う存分食べてもらいたいのに。
ほんとうに、ごめんね。
食べ物がないとわかって諦めたのか、
再びオットの方をみて
「ピッカピッカポーン。 薄くなっちゃったわね~。
みんな年取っちゃって、このあいだ久しぶりに次男に会ったけれど
あんなに様子が変わってしまうとは思わなかったわよ。
昔は、ハンサムでアイドルみたいだって言われていたのにね」
短期記憶もちゃんと残っていて、
話すこともしっかりしていて、
すごく調子の良いHapoさん(母)でした。
食べることは生きること。
食べる量が増えると
こんなにも明るくなるのですね。
Hapoさん(母)の明るさが
まだまだ続くことを願っています。