近所の散歩コースのひとつに農業専用地のあぜ道があり、季節を感じるお気に入りのコースのひとつです。
その奥まったところに梅、桃、桜が咲き揃っている場所があります。
いつもは行き止まりのそこまで歩くことはないのですが、先日は花に誘われて歩いてみました。
畑作業をしていた女性二人がお互いの収穫物を分け合っていました。
畑の脇を通るので
「こんにちは。奥のお花を見たいのですが、ここを通ってもいいですか?」
「花桃きれいだものね~、どうぞ見て行って。そうだ奥さんも持っていく?」
と手にしたネギを差し出してくださいます。
「いえいえ、通りすがりのものですから。」
「いいのよ、いいのよ。まだたくさんあるから。あの花桃のところにいっぱいあるからほら、一緒に行きましょう。」
と手招きしてくれます。
「ほんとうにいいですか?」
「いっぱいありすぎて困っていたから分けていたところなんだから。 作るのは楽しいのだけれど食べきれなくてね~。」
「ここの花桃は地主さんが昔は花市場に出荷していたのだけれど今はご高齢で手をかけなくなってしまったけれど、毎年きれいに咲いてくれて楽しみなのよ。」そのご婦人がそう話しながらネギを新聞紙に包んでくれます。
「これはね、九条ネギだから緑のところも全部食べてね。」
「九条ネギ! おいしいですよね。嬉しいです。ほんとうにありがとうございます。」
「こっちはね、京菜だけれど、これはまだ小さくて収穫できないわね。」
「京野菜を作られていて、京都のご出身なのですか?」
「あら、ふたつとも京の野菜なのはたまたまね。出身は長野県の飯田よ。」
「天竜川のあるところですよね。若いころ何度もカヌーで川下りして、激流に流されました~^-^」
「そうなのね~。私は子供のころは天竜川で泳いだわよ~。」
「ええ~! あの急流をですか!!!」
「そうよ。流れに逆らって上流に向かうんだけれど、ぜんぜん進まないけど、それが面白かったのよ~。」
「それ、カヌーでもやります。流れをうまく利用すると流されずに同じ場所を漕いでいられるんですよね。 波乗りをずっとやっている感じが面白いんですよね。」
「そうそう、楽しかったわ~。」
しばし川談義を楽しんでネギのお礼をもう一度言ってお別れしました。
その日のお散歩は家の鍵を持っただけの手ぶら散歩だったのに
帰りには収穫したてのネギを手にしていました。
わらしべ長者のはじまりはわら一本ですが、
私は花見のおかげでネギ長者になりましたとさ。
おしまい^-^
物欲しそうな顔をして歩いているのか、
通りすがりでいろいろと物を頂くワタシ。
それも人徳と(←自分で言う~?)と思って
ありがたく頂戴しています。
「九条ネギ」柔らかくておいしかったです。
ごちそうさまでした♪