なんか、このところ思い出話ばかりになってしまっていますね。
でも、どれも楽しかった、いい思い出ばかりです。
そんな思い出が沢山あって、今があるのは幸せです。
今も手元にある詩誌「碧空(sora)]
この詩誌も大事な思い出のひとつです。
Hapoさん(母)くらいのご年齢と思われるその方(Yさん)とは、
12年ほど前の2月のバス停で出会いました。
Yさんは素敵なマントと臙脂色のマフラー、
白いベレー帽を素敵に着こなされていて
思わず私から「素敵なマントですね。」と声をかけたのです。
見知らぬ人に突然声をかけられて驚かれただろうに、にこやかに
「ありがとう。このマフラーは友人が編んでくれたものなのよ。
このマントと合うでしょう。」と答えてくださいました。
それからどこへお出かけ? と何気ない会話がバスの中でも続き、
「後ろに住所が書かれているからよければ感想を書いて頂けると嬉しいわ。」と
お手持ちのこの詩誌を下さったのです。
さっそく読んで、菜の花の絵葉書に感想を書いてYさんへ送りました。
するとすぐにYさんからもお返事があり、それから二人の文通が始まりました。
と言っても赤いポストへ投函しに行くよりお互いの家の方が近いのです。
「早や一年出会いの種の成長を愛しく思う文のやりとり」
「母娘(ははこ)ほど年の差ありの友達と文の中では乙女のふたり」
そんなことを書いたり、旅先から絵葉書を書いたりを続けていました。
すると詩誌の中でYさんが私との出会いを書いて下さいました。
まさか自分がエッセイに登場するとは思ってもみなかったのですが、
驚きと嬉しさでいっぱいになりました。
私からの絵葉書や手紙をとても喜んで下さっていること。
新しい友達ができてとても嬉しいとも書いてありました。
私もそっくり同じ気持ちです。とまたお返事を書きました。
「会う人に 私、15年生まれなのよ、と言うとお若いですねって
言って下さるのだけれど、昭和じゃあなくて大正なのよ。と言うとその方が
目をまん丸くして驚くの。それが面白くて、最初から大正って言わないのよ。」
そんなおちゃめなYさんに、ワタシもびっくりしたものです。
残念ながら、今はもう文通は終わってしまいましたが、
碧い空を見上げて、Yさんの笑顔を思い出しています。