老母の握力

介護の入り口。老母(ローボ)と老娘(ロームス)のつれづれ。

ある、学び

 

車で買い物に出かけたある日。

 

住宅街の信号の無い横断歩道の端にかがみ込んだ

ご高齢の男性とそれを見守る若い女性を見つけた。

ご家族なのかな? と思ったものの女性の戸惑いの表情が見え

急いで車を止めて駆け寄った。

 

女性もたまたま通りかかったようで

どうしていいのかわからず困っていたらしい。

 

「お怪我ありませんか? どこか痛いところがありませんか? 

  救急車を呼んだほうがいいですか?」と、

男性に声をかけると、

「大丈夫。かっこ悪いところ見られちゃったな。」声はしっかりしている。

転んだというよりも自分でしゃがみこんでしまったという感じらしい。

 

とは言うものの

 

かがんだ姿勢で両手を地面について起き上がろうとするもののそれができない。

背中にはリュックがある。

道向こうのスーパーで買い物をした帰りらしく、

そこそこの重さがあって起き上がるのをじゃましているようだ。

 

ご本人も

「申し訳ないけど、リュックを下ろしてもらえませんか。」というので

そのようにして、再び立ち上がろうとするも自力では無理そうなので

もう一人の女性と両側で支えてみると

なんとか立ちあがることができた。

 

それでもリュックの荷物は重く、

杖もなく一人で歩くのはまだ不安な感じなので

「車でお送りしましょうか。」

 

「いや、大丈夫。 もうすぐそこだから。」

と角を曲がった建物を指さす。

ほんとうにすぐそこだったので、

「お気をつけて」と、

建物のエレベーターに乗るところまで見守り、お別れした。

 

一緒にいた女性ともそこでお別れ。

 

そのまま何事もなかったように車に乗り買い物に行った。

 

それだけの話。

 

 

 

 

起き上がれるように介助することがためらいなくできた。

 

Hapoさんのおかげだな、と思った。

 

 

「年寄りの気持ちは、わからないのよ!」

と、Hapoさんにキレられることがあるけれど、

 

年寄りの家族をもつ気持ちは私にはわかる。

 

当事者になることで分かること、

なる前に教えてもらえることもある。

 

 

人生まだまだ、

学びにあふれている。