「三橋節子が描いた三つの世界」展を堪能したあとは
琵琶湖疎水近くのお店で昼食をとり、
大津絵のお店を覗いて
商店街へと向かいました。
三橋節子美術館の方が教えて下さった「商店街」の入り口。
お分かりになりますか?
なんと! アーケードなのです。
雨に濡れそぼつ身にはとてもありがたく
この日、ようやく傘なしで歩くことができました。
商店街のいたるところに大津絵が飾られていて
それらを見ながら楽しく歩きました。
シャッターの降りたままのお店もあるようでしたが、
観光客と地元の方がほどほどに歩いている感じでした。
なにやら老舗の雰囲気の漬物屋さんがあったので覗いてみました。
お店の方が、いろいろお勧めしてくださり、
オットの好きな瓜の粕漬と地元野菜(日野菜)の浅漬けを買い求めました。
「お店の写真を撮ってもいいですか?」と聞くと
「どうぞ、どうぞ」と、店の一角にあった
宮内庁御用達の展示コーナーでこのお店の歴史を説明して下さいました。
「漬物・八百与」は江戸時代創業で、瓜やきゅうりなどを粕漬けにした「長等漬」や千枚漬け、佃煮なども取り扱っています。 大正から昭和29年まで宮内庁御用達で、その書状が展示されていました。
お土産にした漬物はどれも美味しくて、粕漬のうま味は絶妙でした。漬け粕を捨ててしまうのがもったいなくて、豚肉を炒めに加えたら美味しい一品が出来上がりました。
中町通りにあるアーケードは、
・長等商店街
・菱屋町商店街
・丸屋町商店街の三つがつながっています。
東側の丸屋商店街の中ほどに
大津祭曳山展示館がありました。
館に入ると原寸大の曳山模型がお出迎えしてくれます。
大きいんですね~!
2階にも展示室があるので行ってみると、
小っちゃいのも展示されていました。
これは昭和13年に当時15歳の少年が夏休みの宿題として作ったものです。
13基の曳山の装飾を見事に作り上げていました。
お囃子やからくり人形を操り旧大津市内を巡行するそうです。
展示室にあったこの粽飾りは京都の町なかでも目にしました。
自分の住むところでは見かけないものだったので、云われを伺うと、「厄除け粽」でお祭りのときに曳山の上から囃し方が撒き、それを取るのも祭りの楽しみになっているそうです。 曳山の数だけ粽の種類(柄)があるそうです。 大津は京都に近いので祇園祭りの粽撒きを模したものですが、曳山から撒かれるのは、今では大津祭だけになってしまったそうです。 節分の豆撒きの様子とも似ていますが、「餅」は入っていないそうですよ。 何百年も続く祭りのある土地に暮らしたことが無いのでとても興味深いものでした。 でも、なんで粽なんでしょうね。 夏の大祓い茅乃輪くぐりと関係があるのかな?と調べてみたら、あるようですよ。 茅を巻いて作った茅乃輪の「茅巻」が同じ音の「粽」になったようです。 「そんなの、常識~」なことかもしれませんが、玄関に”粽”や”笑門しめ縄”を一年中飾るのは全国区ではないようですしワタシにとっては「フムフム~なるほど~」なことでした。 小さな発見が民俗学のヒトカケラのようにも思えました。
今年の大津祭りは10月7日に宵宮、8日に本祭があるそうです。
豪華な13基の曳山をいつか見にいけるといいなと思っています。
大津の町歩きは、三井寺と三橋節子美術館へ行くことだけを事前に決めていて、あとはノープランだったのですが、行った先のどこもが興味深く楽しく過ごせました。
アーケードを抜け駅への道を歩くころには雨が上がっていました。
大津駅のホームでは、北緯35度線のモニュメントがあり、
これもまた、「へぇ~ホー」な出会いでした。
このあとは、近江八幡へ行き、
ラ・コリーナで藤森建築と甘いものを堪能し旅を終えました。
楽しみの種をいくつも拾ってきたので
いつか次の花を咲かせられるといいな。
旅の余韻に身を委ねつつ、次の旅を夢見ています。