梨木香歩さんのエッセイ「水辺にて」を読みました。
前回読んだ「炉辺の風おと」で山小屋での生活のイメージのあった作者ですが、カヤックでの水上散歩も楽しまれている様子をまとめたエッセイがこの「水辺にて」だと知り、もとカヤッカーとしては気になって読んでみました。
梨木さんの愛艇「ボイジャー」はファルトボートという組み立て式でメンテナンスや車への積載がちょっとたいへんなものです。
それを自分一人でもできるように、いろいろと工夫したことも書いてありました。
私が普段乗っていたのはFRP製のスラロームカヤックで軽量とはいえ重さは10㎏、長さは4mあり、それを170㎝高の車のキャリアに載せるのは川でカヤックを漕ぐよりも大変でした。
周りのカヤック仲間が手伝ってくれることがあるものの、基本は自分で行います。一人で積んで、ひとりで漕いでこそ、カヤッカーとしては一人前という感じでした。 それでも車に載せようとしたときに、強風にあおられ、カヤックを持ったままバランスを崩して「オットット、、、」というときに手を貸してもらうことはありました。 その手助けしてくれた人が「オット」なんですよね^-^
エッセイの中に知った川、下ったことのある川が登場すると自分の体験と重なっていろいろと思い出すことがたくさんありました。
特に古座川の支流の「小川」(こかわ)の美しさは忘れられません。
カヤックを漕がなくてもその水辺でキャンプをしたいと今でも思います。
ただ川辺で数時間佇むだけでもいい。
植物に詳しい、鳥にも詳しい。
梨木さんの豊かな知識が水辺にあふれていました。
のちの小説が生まれてきたのだなと思わせるエピソードもありました。
梨木さんのカヤックは「ボイジャー」というかっこいい名前でしたが、ワタシのそれは黄色い艇だったので「きいちゃん」でした。
オットは緑の「みーちゃん」青の「あおくん」の二梃持ち。
二人艇のインフレータブルカヌーは赤い色で「あーちゃん」
見たままの名前しか付けられないのだから、素敵な情景が浮かぶ小説は書けそうもありませんね。 カラフルな4艇が玄関先にある景色は圧巻でしたが。
今はすべて手放したので「水辺にて」過ごすことはなくなりましたが、カヤックを漕いでいたときのような心持ちはなくしたくないなぁと思いました。
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ゆるりと湖畔や川辺の水辺散歩も楽しそうです。