老母の握力

介護の入り口。老母(ローボ)と老娘(ロームス)のつれづれ。

一年ぶりの買い物

先日の外出の日に 母は一年ぶりの買い物へ行きました。

 

「今日の予定は、銀座通りの時計屋さんへ寄って目覚まし時計を買うこと」

 

と言い出して、ちょっとびっくり。

 

「家に行く前にお買い物に行くのね?」

 

「そう、目覚まし時計を買うのよ」

 

部屋には見やすい壁掛け時計があるのに、なぜまた時計が欲しいのか?

その理由をちゃんと説明します。

 

ホームでの生活は時間、時間が決まっていて朝も早くて

起きるのが大変だし時間に遅れることのプレッシャーが半端ないらしい。

 

「集団生活は大変よ。迷惑かけないように気を遣うのよ」

 

「病院だったら、こちらの都合に合わせて貰えたけれど、

 ホームだとそうもいかないのよ」

 

時間に縛られるという居心地の悪さを感じているのを知り

複雑な気持ちになります。

 

ずっと一人で暮らしていて食事も起床も好きな時間にきままに過ごしていたから

閉塞感があるのだと思いますが、その気ままさで、

動くことが減りフレイルになってしまったのだから、

規則正しい生活の今のほうがいいのに、と思うのは娘の気持ちです。

 

そんなわけで、壁時計はアラームが鳴らないので

目覚まし時計をご所望だということです。

 

今使っているに壁掛け時計を買うときに、

目覚まし時計の方がいいんじゃない?って聞いたのに~と思うのも私の気持ち。

 

「まあ、時計ひとつ買うことくらい いいじゃない」となだめるオット。 

 

目的の時計屋さんの場所が私たちにはよく分からないというと

母はしっかり道案内をしてくれました。

いざ、お店に到着したものの、

日曜日はお休みらしくシャッターが閉まっていました。

 

しかたなく、近所の家電量販店へ行ってみました。

店内での買い物に車椅子を借りてきましょうか?と聞くと

「いらない、自分で歩いていくから」と歩行器を使ってスタスタと歩いていきます。

足取りの軽さにオットともどもびっくり(^^♪

自分のしたいことがあれば、こんなにしっかりと歩けるのね~。

 

欲しいのは、文字盤が暗いところで光りアナログの文字盤表示のものですが

それに当てはまるものは、ひとつしかありません。

目覚まし時刻は、裏の小さなツマミを回して、

長針短針はそのボッチを引っ張って設定します。

その操作を母ができるか、試してもらうと、目覚まし時刻を設定するときも

引っ張ってしまってなかなかうまくいきません。

デザインは気にいったのに、これでは使いこなせないかもと他の商品を見ると

時刻合わせと、アラーム設定のツマミが別々のものがありました。

これならと回してもらうと、スムーズに使えています。

ただ、蛍光文字盤ではないので暗いところではひかりません。

代わりに小さなライトが点いています。

 

この試し作業を店のサービスカウンターの椅子を借りて座りながらやっていましたが

お店の人とオットは関せずで、じっくりと試すことができました。

昔なら、こんなにどっぷりとお試しをしていたら恥ずかしくて

早くしてよ、これでいいじゃない、どれでも同じよと急かしていたのに、

今は 母が欲しいもの、使えるものを決めるまでとことん付き合います。

 

 

文字盤が光らないことは諦めて、

「使ってみれば慣れるでしょう」と母が言うので買うことにしました。

 

昔から地元の個人商店で買い物をすることを母は好んでいましたので

量販店で買うのは不本意のようでしたが、すぐに使いたいらしく妥協したようです。

 

家に着いてから、食事ができるのを待つ間、自分で時計の設定をしています。

テーブルの上に置いてアラームが鳴るのを待っています。

何度か繰り返し、ボタンの意味や設定の方法が分かったようです。

 

それでも、ホームに帰ったらじっくり読むからと、

取り扱い説明書も忘れずに持っていきました。

 

家電品などを買うと、隅からすみまで取り扱い説明書を読んで

使い方をマスターするいつもの母が健在でした。

 

 

この日のHapoさん(母)は、絶好調だったねと 帰りの車でオットとはなし、

母のおかげで楽しい週末を過ごすことができました。

 

 

買ったのは↓この時計です。

今まで気づいていませんでしたが時刻合わせのツマミが別なタイプもあるのですね。

ひとつで兼用でも困ることがなかったけれど指先がおぼつかなくなったときは

別々の方が使いやすいし、もう少し大きくてつまみやすいものの方があればもっと

いいのになと思います。

 

高齢者ニーズで物を見ることが増えてきた今日この頃です。