「たまか」とは「つつましい」、「倹約でつましい」という意味に加え
「細かい点まで心を配って物事をするさま、誠実、実直」という意味もあるようです。
「多摩神奈な暮し」だと思い、そのエリアを紹介したエッセイだと思っていました。
ああ、勘違い (^^ゞ
(そのエリアのお店も少し登場します。)
翻訳家の父と出版社に勤める息子。
その息子いきつけの小料理屋の女将とそれを手伝う娘。
息子は、不景気で貧しくても「平気よ」という妻を得てたまかな暮しをしている。
現在は休刊になってしまった雑誌「四季の味」に掲載されていた随筆だからか
食の季節感が滲んでいます。
冬のボーナスも出ず、どこへも出かけられないことを「冬ごもり」といい、
たまの外食を心から楽しむ。
「ア・ビット・オヴ・ラック」(ほんのちょっぴりの幸運)がありがたいと思う。
「料理には心がこもっていけないと思う。それを作る人があたたかい心を食べる人に伝えるものではないか。 味だけではないんだ」
「ただ食べるだけなら必要を満たすだけだが、おいしく食べるのは芸術だ」と
息子夫婦にいう父の言葉が嬉しい。
若くはない わが夫婦もこの本の住人のように歳時記で季節を感じ、
たまかな生活をし、四季折々の味をたまの外食で味わう生活をしよう(^^♪
感染防止対策は、忘れずにね。
本の中では食事のあとにいつも「熱いほうじ茶」を飲んでいるのが気になっていたら、「熱い焙じ茶」というタイトルのエッセーをみつけました。
直木賞作品の「遠いアメリカ」読んでみたいし、初めての作家さんの作品が次々と気になります。