ノコノオト noko_note

nokoの雑記帳  あれこれつれづれ

映画「日日是好日」の舞台裏エッセイを読みました。

映画「日日是好日」2018年の作品の裏話が綴られた「青嵐の庭にすわる」森下典子/著 を読みました。

主演の典子役に黒木華さん、典子が通う茶道教室の先生役を樹木希林さん、典子と一緒に茶道教室に通う従妹役を多部未華子さんが演じています。

茶道を通じて四季を描いた作品はなんと3か月で撮影したそうです。 冬の椿が咲く小径は全て造花で、雪のシーンも一晩かけて降らせたものだったとか、一年以上かけてじっくりと撮影したとばかりと思っていたのですが、そうではなかったのですね。 原作者の森下典子さんも当時、同じように驚いたそうです。 シーンには写らなくても茶菓子や茶花など季節に合わせたものを特別に作ったり工面したりと裏方の大変さがよくわかりました。

役者さんは茶道は初めてなのに、ちゃんと習得して、そのうえで「初めて茶道を体験する」という演技をするところに役者魂を感じたそうです。

茶室に飾られた映画のタイトルでもある「日日是好日」の書は、樹木希林さんの知り合いの当時小学五年生の子が書いたものだそうです。

と、こんな風に「へーほーはー」と裏話を面白く読むことができました。

映画でいちばん印象に残っているシーンは父親役の鶴見辰吾さんが一人暮らしを始めた娘のところへ「近くまで来たから寄ってみようかと思って」と電話すると典子はちょうど出かけるところで「今日は用事があってだめなの」と応えると「そうか、そっか、いいよ、また会える」と言って電話を切る。それから数日後に父は倒れる。桜が満開の四月五日、父は居なくなった。

茶道がメインの映画ではあるけれど、電話の声だけで父の愛情を感じられた心に残る場面でした。

その後の喪失感をいやしてくれたのもお茶。

紫陽花のお茶菓子を「きれい」と、お点前を美味しいと。

そのときにお点前をしたのが原作者の森下さん、そんな粋な計らいをしたのは樹木希林さんだったそうです。

 

茶道をしたことがなくても、

良い一日だったと思える日々を

過ごすことの大切さを伝えてくれました。

 

日日是好日