マンションではペット飼育禁止なので
猫と一緒に暮らすことは ままなりません。
沢山記事があって嬉しい限りです。
今日のような季節外れの温かさではこの絵のように
猫ちゃんたちはビロ~ンと伸びて寝ているのでしょうか。
「猫の日」に猫と暮らした思い出をひとつ。
高校生の頃住んでいた家の勝手口は日中は通気のために
いつも少し開いていました。
ある日、その隙間から侵入したと思われる子猫が一匹佇んでいました。
どこからやってきたのか、親猫がそばにいるのか、
ふらりと入っただけで、またどこかへ行ってしまうのか。
しばらく様子を見ていたけれど、その子猫はそこでじっとしているだけ。
うちの子にしたいな、一緒に暮らしたいな。
けれど、Hapoさん(母)は動物を飼うことを好みません。
「家族の生活で精いっぱいなのに、動物の子供まで面倒みきれないわよ!」
けんもほろろに言われてしまうのは目にみえています。
ここで猫に触れたら、だめ、とわかっていても
子猫に触れずにはいられません。
そっと抱き上げて その小さく軽い物体に驚き、
そして可愛さにノックアウトです。
その時家には私しかおらず、みんなが帰ってくるまでと言い訳しながら
牛乳をあげると、うれしそうにおいしそうに飲み始めます。
そうこうするうちに三兄が帰ってきました。
子猫を見るなり、「かっわいいなぁ~。飼うのか?」と言います。
「飼いたいよね。けど、、、」
「もう家の中に入れたんだからウチの子だよ。」と母の許可など気にせぬ三兄。
「どこから連れてきたんだ?」
「勝手口から入ってきたの」
「そうか、じゃあ猫が家を選んだんだから、Hapoさんにはそう言えばいいよ」
そして、母帰宅 のち 激怒。
「でももう今日は遅いからウチの中に入れてあげなさい。」
ほんの少しの妥協をしてくれてその晩は勝手口に段ボール箱を置き
その中で一夜を過ごさせました。
翌朝、その猫ちゃんがいません。
勝手口は閉めてあるのに、とはいえどこかしら隙間をみつけて
外に出ようと思えばできる家です。
自分からいなくなっちゃったんだから、仕方ないねと諦めていると
半間の押し入れの中でごそごそと音がします。
中を見ると子猫ちゃんが布団の奥から出ようとしています。
外に出たのではなくて、暖を求めて移動していたのです。
猫が見つかると思いのほか喜ぶHapoさん。
いそいそと猫のためにエサの支度をします。
それを食べている姿をみながら「心配したんだから」と声をかけているのを見て
三兄と顔を見合わせる私。
それからその猫ちゃんは正式にうちの子になりました。
名前は、
「一休さん」になりました。
女の子なのにね。
三兄が名付け親です。
頭がくるっと丸い姿がアニメの一休さんのように見えたからですって。
それからの母は、仕事帰りに夕飯の食材を買いにいくスーパーで
一番最初に買うのは一休さんが食べるもの。
まぐろのアラとかシラスとか人間より贅沢をしているよねと突っ込まれても
「いいの、一休さんはペットーフードが嫌いだから」
嫌いにさせたのは、Hapoさんの甘やかしでしょう。
バイクで通勤していた母が夕方家に帰ってくるとその音を聞きつけ
外遊びをしていてもピュ~ンと帰ってきて玄関口でHapoさんを出迎える一休さん。
そりゃあ、出迎えますよ。
ごはんが帰ってきたのですからね。
でもそれが嬉しくてうれしくてしかたないHapoさんでした。
子供が「お腹すいた~」なんて言えば
「うるさい! 帰って早々そんなこと言わない!」と怒られてしまうのにね。
夏の夜、お風呂に入ったあと夕涼みの散歩に行くときに
「散歩に行くよ~」と声をかけると付いてきて
時々草むらに入って虫とじゃれたりちょっと離れてしまっても
「帰るよ~」と声をかければ、ちゃんと戻ってきて一緒に家に戻る、
そんな賢い子でした。
リードもなしに一緒に散歩というと信じがたいのですが
野原のある車通りの少ない土地だったので
猫の散歩に人間が付き合っていたという感じだったのかもしれません。
一休さんが夜中に出歩いて帰ってくると
母の寝床に行き、ただいま~と言うように
母の顔を髭でさ~っとなでて、布団に入れろと催促するのも
母の心をくすぐるようでした。
一緒に住み始めて数年たち、出産をした一休さんですが、
産後の肥立ちが悪く、生まれた子猫たちも未熟児で
親子ともどもこの世を去るという悲しい別れになりました。
庭に咲いていたマーガレットを一休さんの顔の周りにいれて
ずーっと撫でてていたHapoさんの姿は忘れられません。
それから猫を飼うことはありませんでしたが、
一休さんのことは今でも話すことがあります。
散歩に行ったこと、バイクの音を聞いて
ピューッと家に帰ってきたこと。
家族に共通の思い出を残してくれた一休さんです。
そうそう、我が家が困った時によく口にする
「大丈夫。心配するな。なんとかなる。」
というのも、一休和尚のことばでしたよね。
わが家は一休さんに今でも守られているなぁと感じます。
猫は飼えないけれども、家には猫が沢山います。
美術館で買い求めた猫絵葉書を壁に飾っています。
丸木スマ、川上澄生、アドルフ・ボルン、クヴィエタ・パツォウスカー。
この猫たちに会ったあの美術館、この美術館のことを思い出します。
またじっくり原画を見る日が訪れますように。
2という数字は「ニャンニャン」だったり「ふーふ」だったり
語呂合わせをしやすくていい日をもたらしてくれる
ラッキーナンバーのようですね。
きっと今日もいい日に
ちがいありません。
ニャンといい日ではありませんか♪
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