初めて読む作家さんの作品。
おとぎ話を読んだのかな、と読後に思った。
読むという行為が空の上から登場人物の家を俯瞰しているようで、
その隣に作者もいっしょにホバリングしているような、そんな感じ。
作中に書かれていた12歳年上の妻の言葉。
「あなたがいなくなったあとを考えると」
そのあとの文章がひらがなで書き綴られているのも、
雲の上の出来事のよう。
「あなたがいなくなったあととは、わたしがいなくなったあとのことでもあった。
あなたは、わたし。 わたしはあなた。
それぞれの立場を入れ替えて読んでみると老境の切なさを感じた。
最後のシーンでほのぼのするものの、
やはり
おとぎ話を読んだんだな。
表紙の絵、たぬき!
読み終わってから気がついた。