ぐうぜん その2
図書館で借りた3冊の本どれもに
ミシン仕事のことが書かれていました。
・天国の蝉 原田マハ/著
裁縫が得意だった母は、夫や娘の服をせっせと作り、他人の服のオーダーメードも手掛けていた。丁寧な仕事が評判で、結構な数の顧客がついていた。
・また明日 群ようこ/著
母はヤヨイが小学校の四年生になるまで、いつもカタカタと音をたてて、ミシンを踏んでいた。~~ 母は洋裁の腕がよかったらしく、仕立物はひっきりなしにあって、ミシンの横にはたくさんんの布がたたんで摘んであった。
・服のはなし 着たり、縫ったり、考えたり 行司千絵/著
わたしのふだん着は、祖母か母がつくった服だった。既製品の服はまだ手近には売られていなかったし、あっても値段が高くて、わずかに持っていた既製服は従妹のお下がりだった。編み物の得意な祖母は、セーターや麦わら帽子、手袋などをこしらえてくれた。母はミシンを踏んでワンピースやサマードレスを縫い、胸元や襟元にレースをはさんだり、刺繍をしてくれたりした。
ほぼ同じ時代が舞台の3作品は、ワタシが過ごしてきた時とも重なっていて懐かしく読み進んだ。行司さんの「祖母と母」の二人分をHapoさん(母)はこなしてくれていたのだ。幼いころの思い出がふくよかなぬくもりになって今につながっている。
裕福とはいえない、むしろ貧乏だった子供時代だったけれど、忙しい時間の合間に子供たちの服を縫っ手たり、手作りのお菓子を作ってくれたりしていた母。手作りの方が安上がりだったからしかたなくだったのかもしれないけれど、女学校卒業後、洋裁学校へ通い服作りの楽しさを覚えた母の唯一の息抜きの時間がミシンを踏むことだったのかもしれない。
・アフガン編みのカーディガン
・赤いタータンチェックに白い襟のワンピース
・胸元にひまわりの刺繍をしたデニムのサロペット
・茶色の布一面にお花畑の刺繍をしたレッスンバッグ
どれも思い出に残る母の手作りです。
洋裁に限らず、手仕事は
なんでも作る。なければ作る。
だれかが作れたなら、自分でも作れる。
そんなに気合をいれる必要もないけれど
家での手仕事って自然に生まれてくる。
あるもので考えて、工夫して、その過程も楽しむ。
それが喜びになっている。
本を読みながら、
母の手作りを思い出しながら
ワタシも喜びのときを重ねていきたいなと思ったのでした。