老母の握力

介護の入り口。老母(ローボ)と老娘(ロームス)のつれづれ。

大事な手紙

Hapoさんがおなかに抱えて大事に持っていたワタシからの手紙には

 

・退院・転院する日が決まったこと。

・転院する病院は療養型病院で4人部屋になること。

・その病院はワタシの家の近くだということ。

・大きな公園に囲まれて緑豊かな場所にあること。

を書き、

 

転院すること、その病院を一緒に相談して決められなくて

ごめんなさいと伝えたものです。

 

何も知らされずに退院、転院というのは本人がつらいだろうから

事前に面会して話しをしたいと病院へお願いしましたが許可されず

看護師さんと電話で話したのちに、

状況を伝えてもらったら、

 

「すべて娘に任せます。」と言ってますよ、と。

 

そうですか、そう言うしかありませんよね。

 

その電話確認だけでHapoさんが理解できたとは思えなかったので

手紙を書いたわけです。

 

「大事な手紙」と言われるほどの内容だとは思えないのですが

ワタシとのつながりを感じて「大事」と思ってくれたのかもしれません。

 

車で移動中に、手紙の内容と重複するけれど、

 

これから転院先の病院へ向かうこと。

母の体調が退院するに至らなくてまだ医療の手助けが必要だけれど

今までの病院にそのまま入院し続けられないから、

転院しなくてはいけないこと。

その転院先をワタシの家の近くに決めたことを説明しました。

 

横になっている母は、

眠っているわけではないけれど小さく頷くだけです。

 

転院先の病院に着き、車を降りるときになると、

おなかに抱えていた手紙を取り出し

「これ大事なものだから、預かっておいてね」とワタシに返してきます。

 

もうわかったから、いらないと思ったのか、

病院で無くしてしまうかもしれないと思ったのか、、、。

 

病院到着後すぐに母はCT検査や、体重測定などをしました。

 

ワタシとT兄(三兄)は医師や看護師からの説明や今後のことについて

話し合ったのちに、病室にいるHapoさんに面会してから帰ることになりました。

 

担当看護師さんから

「病室に入るなり、ナースコールを頻回されています。

 今日は娘が迎えに来てくれているから帰ると言われていますので

 心配ないからとお声がけしていただけますか。」と。

 

今朝、退院したと思ったらまたベッドに居る自分に納得いかないようです。

 

病室前に来たワタシの姿を認めると、

「じゃあ、もう行っていいのね。」と体を起こします。

 

ワタシがもう行って(帰って)しまうということかと思ったら

娘が迎えに来たから自分も一緒に帰るという意味だったようです。

 

「Hapoさんは、まだお医者様の助けが必要だから

 今日からここにお世話になることになったのよ。

 一緒に帰れないけれど、看護師さんたちはみんないい人たちだから

 安心して過ごしてね。 

 また手紙書くけれど、さっきの手紙をやっぱり持ってる?」

と手渡そうとすると、

 

「それは大事なものだから、nokoちゃんが持ってて。」と言いながら

ワタシの後ろにいたT兄にバイバイと手を振っています。

 

T兄もHapoさんに手を振り返し、

二人で「じゃあね。」と病室を後にしました。

 

面会がままならいので

じゃあねの後に、またね。と言えないのが辛い。

 

「またね。」

という言葉がとても重くて、簡単には言えませんでした。

 

目まぐるしい環境の変化についていけないHapoさん。

 

手紙に書いてあることをわかってくれていなかったのか、

わかっているけれどそれを認めたくなかったのか。

 

どちらにしても、一緒に帰れなかったのが辛いのは

Hapoさんもワタシも同じです。

 

翌朝オットが「ゆうべは、よく眠れた?」と聞きながら、

 

「これでよかったんだから、大丈夫。

 nokoちゃんも安心していいんだからね」

と慰めてくれました。