BUTTER 柚木麻子/著 を読みました。
初出は2015年~2016年 小説新潮に連載されていて
2017年に単行本化した小説です。
柚木さんは「ランチのアッコちゃん」で知った作家さんです。
アッコちゃんシリーズは元気で前向きになれるお話しで、
食べ物、料理の描写が文字通り上手くて、おなかがグーとなることもしばしば。
さて、本作もタイトル通りバターが話の要になっていて
美味しいものが次から次に出てきます。
軸になるのは週刊誌の女性記者が結婚詐欺師で殺人容疑者のインタビュー記事を
書くにあたり容疑者と面会しそして翻弄されていく渦中に
友人や恋人、職場の同僚などとの人間模様が織り交ぜられて書かれています。
アッコちゃんシリーズのような明るさはないものの、
美味しいものはびっしり登場します。
炭水化物にバターを合わせた美味しさを
・炊き立てごはんのバター醤油かけ
・たらこパスタバターたっぷり和え
・焼き餅の砂糖醤油バターのせ
などなどで、バターの魅力をプッシュしてきます。
簡単だけれど悪魔的な美味しさですよね。
ホワイトソースがダマにならないように
玉ねぎに小麦粉をまぶしてバターで炒めるという主人公の作り方が
自分と同じだったので嬉しくなって久しぶりに作ってみました。
本の中に出てくる料理上手な友人はホワイトソースとは言わず
「ベシャメルソース」と言い、
たっぷりのバターで小麦粉を炒め冷たい牛乳を一気に加えて
混ぜる方法で作っていました。
同じ料理でも人それぞれの王道があるようです。
動物性の油脂をあまり摂取しないようにしていたので
バターを買ったら小分けにして冷凍保存をしていて
一度買うと消費するのに数か月かかっていたのに
この本を読んでから2箱目のバターを購入しました。
主人公のように体重増加の未来が待っていそうなので
魅惑の味はほどほどにしようと思います。
本を読んでこんなに感化されちゃうなんて、
ちょっとコワイ。