母に春用の羽織ものを持っていこうとクローゼットを探してみつけた上着です。
春の雰囲気のレモンイエローがいい感じ。
ファスナー開きだけど、大丈夫。
母はファスナーのスライダーを自分ではめられます。
できることだってまだまだある母に接するとほっとします。
上着をよくみると袖下と袖口を直してあります。
おそらく袖幅が広くて狭めたのだと思います。
母も洋裁好きですから、お直しくらいお手の物。
とは言えこのお直しを縫ったのは80歳を過ぎていたはずです。
針に糸を通すのもおぼつかなくなってきていて
その縫い目をみると粗くて上出来とは言い難いのですが、
本人は縫うことが楽しかったのだろうと思います。
かつて母の家に行ったときは、
布団干しやシーツの洗濯など母ができなくなってきた家事を
代わりにやっていましたが、
針仕事だけは、「ぼちぼちやるから大丈夫」と自分で縫っていました。
針に糸を通しておいて いつでも縫えるようにしておきました。
「糸を通した針は何本ね、失くすと怖いからね。
片付けるときは針の数をかぞえるのよ。」
という用心ぶりでした。
いくつになっても針箱がそばにある母だったのに
今の住まいには針箱を持参しませんでした。
針を持たなくなってしまった母を見るのはさみしいことだけれど
春色の服を着て一緒にお散歩できることを楽しみにしています。
自分から「次はお散歩に行きたい」と言ってくれた母ですから。