ずばりなタイトルが目について手にした本。
とある市の特養(特別養護老人ホーム)の申込受付相談員の
相談メモをもとにしたお話。
小説ではあるけれど、ほぼ作者の実体験をもとに書かれた話ではないかと思われる。
特養への入居相談をする人々の様々な事情、心情が描かれている。
介護認定や老人ホームの種類や申し込み方法、
費用負担、役所への届け出など、これから経験する人への
How to本としても成り立つような内容も書かれている。
けれど、やはりこの本を読んで一番の収穫は、共感ではないかと思う。
作中の相談員もまずは相談者へ、「そういう相談は他にもありますよ」と
相談者の心を軽くしている。
いろんな人がいる。
さまざまなケースがある。
百人百様の介護がある。
介護の先の、見送りがある。
そのことにも何度もふれている。
タブーだと思われることがらかもしれないけれど、
避けられない、誰にでも訪れることだけど、
介護の先の終わり時も 百人百様。
扉のページには、
とある。
タイトルを聞くことはあっても未読の本。
次はその本を読んでみたいと思う。