老母の握力

介護の入り口。老母(ローボ)と老娘(ロームス)のつれづれ。

Hapoさん(母)の検査結果

内視鏡検査をしたHapoさん

hapo-mina.hatenablog.com

 

診察室に入るなり

 

「あれ、見たことのある人がいるねぇ。」

 

先生ですよ、Hapoさんの担当のお医者さんですよ。

 

天然なのか、加齢なのか、、、深く考えるのはよそう。

 

今日の目的は、十二指腸狭窄は快復しているのか?

 

今後も流動食のままなのか?

 

「狭窄は、すこーし広がっているけれど良くなっているとはいえないな。

  残念だけれど流動食のままだね。」

 

「・・・・・・・」

 

「治療方法の選択肢として胃カメラをまた飲んでバルーン(風船)で狭まったところを広げる方法があるけれど、1回でよくはならないし、何回やれば治るというのはやってみないとわからない。2週間ほどの間を空けて胃カメラを繰り返すことになるけれど、やってみる?」

 

「・・・・・・、胃カメラ、いやだねぇ。

 けど、やるしかないわね。やれば良くなるんでしょう。」

 

「よくなるかは、わからないよ。」

 

「・・・・・」

 

胃カメラ嫌だけど、流動食もイヤ! 

 

その気持ちをほんの数分で整理できるものではないですよね。

どうしていいか、また考え出すHapoさん。

 

そこで私から医師へ

「流動食と言ってもいろいろあると思うんですよね。」

持参した介護食品のカタログに載っている

写真付きの流動食ランクの表を見てもらう。

 

その名も「嚥下調整食学会分類表2013」というものです。

嚥下食(介護食)の形状がピラミッド型で分類されています。

 

 

Hapoさんの場合は「嚥下調整食1J」の

ゼリー状、ムース状またはそれ以下のものを食しています。

 

しかし、退院直後に私が調理して食べてもらった食事は

「3嚥下調整食」を含むこともありましたが、特に問題なく食べることができました。

 

そのことを医師に伝えると、まずカタログの食品形状の写真をみて

「こんな風にランク分けしているんだね。 

 え~と、2-2嚥下調整食でぜんぜん問題ないよ。」

 

そこで、3嚥下調整食の食品例を見てもらい

「見た目は形がありますが、これは舌でつぶせて塊がない料理です。

こういうものでも食べて大丈夫ですか?」

 

「いきなりだと腸もびっくりするだろうから、

  段階的に食べてみていいんじゃあないかな。」

 

Hapoさんにも写真を見てもらって

「こういう食事ができるようになれば少しでも

 献立にバリエーションが出たらどうかな?」

 

「そうだね、少しずつ慣らしていってみようかねぇ。」

 

「では、バルーンの内視鏡胃カメラ)はとりあえず今はせずに

 食事の形態レベルをあげていき、それを本人が受け入れられれば

 そのままで、それを受け入れ難いという思いが強ければその時に

 バルーン処置をやってみる。ということでいいかな?」

との先生の提案に同意する。

 

しかし、Hapoさんなんとなく自分のこととして理解しきれていない様子。

それよりも自分の頬っぺたがかさついているのが気になって

「先生、これなんか病気かしら? ヘルペスじゃあないかしら?」

苦笑いの先生が

ヘルペスじゃあないよ。乾燥してるからかさついたんだね。

 保湿クリーム塗ればよくなるよ。心配ないからね。」

 

診察室を後にして待合室のベンチで再びHapoさんと話すときも

ヘルペスじゃあないの?」

「違うよ。心配ないって先生が言ってたよ。」

「そう、良かった。」と嬉しそう。

 

十二指腸狭窄のことに、ふれようとしないのは、現実逃避なのかしら。

しばらくだまっていたHapoさんが、

「やっぱりずーっとジュースみたいなものしか口にできないんだね。

と聞いてくる。

 

「ううん、違うよ。

 胃カメラの写真もね、最初よりすこーし管が広がっていたのよ。

 だから柔らかければ、まとまった形の食事をしていいんだって。

 よくなっていたんだよ。」

 

「良くなっていたの?」

 

「うん、治ったわけではないけどね。」

 

「そう、けど食事の形態が変わるって誰が作るの?

 自分でそのことを施設の人に言うの?」

 

「ホームに帰ったら、私から担当の人に伝えるからね。安心してね。」

 

「nokoちゃんにまかせたから。私は何がなんだかわからないから。」

 

全てのことを理解しているのか、もしくはしたくないのか、

そのあとはずーっと下を向いたまま。

 

しばらくして

「今なにしているの? なんでまだここにいるの?」

 

「今日はね、このあとインフルエンザの予防接種もするの。

 その順番を待っているのよ。」

 

「ああ、そうだった。だけど、今日はしなくていいと思うよ。」

 

「どうして?」(もう申し込んだのに)

 

「だって、まだ11月でしょ。早すぎると効果がなくなっちゃうでしょ。

12月の終わりころでいいんじゃあないのかな。」

 

ほほー。

ちゃんとわかってらっしゃる。

 

「そうなのね。ワクチンは5カ月くらい有効らしいから。

 今日やっても大丈夫だと思うよ。」

 

指を折りながら、「3月までだね。 まあ大丈夫かな。」

 

 

 

注射もし終わって、会計を待っていると

「今日は何の注射をしたの?」

 

あららら、

「インフルエンザの予防接種よ。」

 

「ああ、そうだった。」

 

Hapoさんとの会話が微妙にかみあわないながらも

Hapoさんと話ができるのは嬉しいひとときでありました。

 

この日はあまり待つこともなかったので

「ホームに帰る前に、どこか行きたいところある?」

 

「行きたいのは、自分のベッド。疲れたから横になりたい。」

 

はいはい。承知いたしました。

 

ホームの部屋を自分の場所だと思ってもらえてありがたい。

 

検査結果もHapoさんの日常も徐々に良くなっていくと信じたい。

 

帰り際に次回会いに来れる日を伝えて

「その時にプリン持ってくるね。」と言うと

 

「プリンだ~いすき。」とにっこり。

 

この日も笑顔でバイバイできました。