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nokoの雑記帳  あれこれつれづれ

物語の幸福 庄野潤三展記念トークイベント

作家の江國香織さんと編集者・刈谷政則さん出演のトークイベントに参加しました。

 

おすすめの三冊を選ぶとしたら?と刈谷さんが江國さんに問いかけると、 「全部が素晴らしい作品だから選べません!」ときっぱり。 それでもお話がすすむにつれ、「文学交遊録」、「静物」、「鳥の水浴び」「えんぴつ印のトレーナー」などの作品名があがりました。  生田の山の上の家を訪ね庄野潤三氏と一度だけ対談をしたことを宝物だという江國さん。 庄野作品は「味わう小説」といい、どの作品もよーく読み込んでいて作品の中のことば使いや言い回しまで愛おしいようです。 そしてその作品が今も新刊で手に入る珍しい作家でもあります。 

 

トークの中でお二人とも「静物」のことも熱く語られていました。 一度読んだだけではわからない、というその作品ですが、ワタシは一度読んで終わってしまっているので再読してみたいと思いました。 作中の胡桃の話し、ちっとも覚えていなくて、しかも不思議にも思わなかったのは一度読んだだけだから気づかなかったのだと思います。

 

そして、ピンク色の本

hapo-mina.hatenablog.com

「誕生日のアップルパイ」の手紙の宛先、長女・夏子さんからの手紙が題材の「インド綿の服」もいいですね。

 

ワタシは、夏子さんの手紙も大好きでこの本を何度も読み返しています。 好きで何度も、内容が分からなくて何度も、いろんな角度で惹きつける作家さんです。

 

私小説と言われたり、エッセイなのか?小説なのか?と言われることもあるけれど本の中で架空の世界も描かれて庄野ワールドを作り出している。それが、小説だと江國さんはいいます。 その江國さん、作家だけれど膨大な量を読む読書家でもあります。 作家さんて、本好きの方が多いですよね。 そこで新刊本の紹介もありました。

 

「読んでばっか」

書評や解説を交えたエッセイ集。

この本にも庄野順三作品についての作品があります。

 

刈谷さんが江國香織さんのことを「あなたは庄野さん(作品)から生まれた」と言うほどですからね、どの作品も選べない、どれも大好きな江國さんの愛あふれるトークイベントでした。