先日、狂言を観てきました。
最後に観たのは2019年11月だったので2年ぶりです。
能楽堂へ行けない間は録画や動画サイトで観ていましたが
やっぱりライブはいいですね。
笑いの中にいる時間がとても心地よく楽しかったです。
上演されたのは三番組です。
*茶壷
お茶の葉を購入した男がその帰りにお酒を飲み過ぎて酔っぱらって街道で寝てしまいました。そこにすっぱ(詐欺師)が通りかかりその茶壷をだまし取ろうとします。
仲裁に入った代官の前で男とすっぱはそれぞれが自分のものだと張り合って謡い舞いながら説明しますが、、、思わぬどんでん返しで終わります。
*柑子(こうじ)
主人が昨夜の酒宴でもらった珍しい三つ成りの柑子(薄皮のみかん)を太郎冠者に預けたことを思い出し、返すように命じます。太郎冠者は自分がもらったと思って全部食べてしまったので言い訳をはじめます。才気ある言い訳がみものです。
*悪太郎
酔っぱらっているのにまだ飲み足りない悪太郎が伯父に呼ばれていたことを思い出し酒を飲ませてもらおうと伯父の家に向かいます。伯父は悪太郎の素行の悪さと大酒をたしなめますが、明日からきっぱり酒を止めるので今日が最後で飲ませて欲しいと頼みます。伯父はそれもそうだと酒をふるまいます。すっかり酔っぱらって家路につく悪太郎は道端で寝入ってしまいます。心配で後をつけてきた伯父は激怒し悪太郎にあることを言ってその場を離れると、、、。第三の登場人物(出家)との掛け合いで、、、、。
茶壷と悪太郎は酒が題材になっている番組(演目)で、
このご時世を反映しての構成だったのかなと思いました。
大酒飲んで、道端に寝転がってしまうなんて、
緊急事態宣言中はとうていできないこと、
いえ、宣言なんて関係なしにやらない方がヨロシイことかと。
狂言では「このあたりに住まいいたすものでござる」で始まる番組が
ほとんどだと思うのですが
茶壷ではそのセリフがなくていきなり酔っぱらった人の登場でした。
その展開がとても新鮮でした。
舞台装置がなく、鏡板に描かれた松の木の背景のみの舞台には
見る側の想像でそれぞれの景色が広がっていきます。
そして番組後のお話(狂言の説明などが最初の茶壷の時間より長くて、、、
それも恒例のお楽しみタイムです。
あれだけの内容をすらすらと話せるってすごいなぁ。
東次郎さんのお元気なお姿を拝見できてよかったです。