こころあたたまる作品を二つ読みました。
一つ目は
「ハリスおばさん、パリへ行く」ポール・ギャリコ/著
ロンドンで家政婦として働くミセスハリスが、その仕事先の家で見たクリスチャン・ディオールのドレスに魅せられてドレスを買うために一念発起してお金を貯めて、いざ!パリへ。 その先に奇跡のような出来事が続きます。 サロンでのショーでハリスおばさんが選んだのは89番の「誘惑」というドレスです。 そのドレスは、床まで長く裾をひいた黒ビロードの夜会服で、下半身は真っ黒のビーズが形よく散りばめられ、胸の部分は淡いピンクと白のシフォンやチュールやレースが泡立てたクリームのように仕立てられています。 紆余曲折のすえ、そのドレスを手に入れロンドンへ帰ったら、、またしても、、、、、。 素直に喜んでばかりはいられない筋書きです。
2022年に映画化された「ミセス・ハリス、パリへ行く」では、選んだ服のデザインや登場人物の役柄が原作とは違うところがあるものの、映画でも原作でも、ハリスおばさんとかかわったすべての人々の愛があふれています。
二つ目は、
「ロザムンドおばさんの花束」 ロザムンド・ピルチャー/著
こちらは主人公がミセス・ロザムンドなのではなくて、作家のロザムンドさんが描いた小さな愛の短編集です。 何気ない日常のなかの家族や隣人、恋人や友人との関係を描いた心あたたまるお話し7作品の花束です。 その昔、オー・ヘンリーの「賢者の贈り物」を読んだときのような静かで確かな愛の形を感じました。
ワタシも”おばさん”の域にとうの昔になっていますが、こういう素敵なおばさん目線を持ち合わせていたいなと思いました。