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nokoの雑記帳  あれこれつれづれ

装いの翼を広げて [ちひろ美術館東京]で出会った、三人の女性と一冊の本

「装いの翼」展

 

chihiro.jp

 

久しぶりに、上井草にある「ちひろ美術館・東京」を訪れました。

今回の目的は「装いの翼」展です。

 

新聞記者で独学で洋裁を習得した・行司千絵さんの著書『装いの翼』を起点に、画家・いわさきちひろ、詩人・茨木のり子、美術作家・岡上淑子という、三人の女性たちの生き方や表現からインスピレーションを受けた展覧会です。

 

行司千絵さんの「その人のために縫いあげる服」がとても素敵だと思っています。 既製品として消費される服ではなく、着る人の人生や内面に深く寄り添い、対話するように紡ぎ出される一着。

今回の展示では、行司さんがお母様のために縫った服も2着展示されていました。そして3人の作家の言葉や作品が、装いをテーマにして美術館の柔らかな光の中で息づいているようでした。

 

凛とした言葉で時代を射抜いた茨木のり子さん、フォトコラージュで幻想的な世界を構築した岡上淑子さん。そして、いわさきちひろさん。

ちひろさんの展示では、おなじみの「可愛らしい子供」の絵だけでなく、非常にスタイリッシュでモダンなセンスが光る絵も観ることができました。彼女たちの「装い」は、単なるお洒落ではなく、自分らしく生きるための「翼」だったのだと改めて気づかされます。

 

実は20代の頃、まだ静岡に住んでいた時にも、この美術館のためだけに東京へ来たことがありました。あの頃の瑞々しい憧れを思い出し、懐かしい気持ちに。

今は横浜に住まいを移し、思い立った時にふらりと訪れることができます。それはとても幸せな変化なのだと、展示室の椅子に座りながらしみじみと実感しました。

 

年齢を重ねるごとに、どうしても腰が重くなってしまったり、すぐに行動できなかったりすることが増えてきます。 それでも今回のように「好き」という気持ちを信じて一歩踏み出した先には、豊かな時間が待っていました。

これからも、日々の暮らしの中で「楽しむこと」を忘れずに。 心が動いたときにはその翼を広げて、軽やかに、フットワーク良く歩んでいきたい。 そんな風に思えた、素敵な冬の一日でした。

 

季節が変わる頃、新しい風を感じに再訪できたらいいなと思っています。