
彼らの心は夏の砂
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オダギリジョーさん、髙石あかりさん、松たか子さん、満島ひかりさん、森山直太朗さん、高橋文哉さん、光石研さん。この豪華な俳優陣がどんな世界を演じるのだろうと期待いっぱいで観てきました、映画「夏の砂の上」。
舞台は雨が降らない坂のまち、長崎。ようやく涼しくなってきたこの頃なのに、スクリーンからは、じめじめとした暑さがジワジワと迫ってきます。
ある家族(夫婦、兄妹、姪)の絡まった心。町のどこにでも暮らしがあれば、いさかいも心のすれ違いもきっとあるでしょう。それだけの話なのに、「長崎」という土地が特別なものにしているのか。彼らの愛は深いのか、薄っぺらいのか、なんとも言えないやるせない気持ちが残りました。
タバコの吸い殻が川(水路)の乾いた場所に沢山捨てられている場面は、主人公の心を可視化したのかもしれません。けれど、タバコが演出の小道具として使われる頻度が気になり、「タバコを使わない演出はできなかったのかな」と、少しすねた目線で見てしまう自分がいました。
また、エアコンが壊れていると言っていたのに、屋根に置かれた室外機のファンが動いているのが見えて、「直したのか? 新しいのにしたのか?」と、電気屋に行ったという言葉を思い出しながらも、どうでもいいことを考えてしまいました。
失業していた主人公が中華料理店の洗い場で働きはじめ、しばらくして仕込みをするようになって大きな中華包丁を扱うシーンを見たとき、その後の展開は「たぶん…」と思った通りになってしまい、思わず「ああ、この人(主人公)大丈夫なのか」と、親戚のおばさん目線でハラハラしながら見守ってしまいます。
姪役の女優さんは、朝ドラ「ばけばけ」のヒロインを演じる髙石あかりさん。さらに、そのボーイフレンドは「あんぱん」の健ちゃん役を演じる高橋文哉さん!「えー、こんなところで出会っていたの?」と、朝ドラファンとしては思わぬ共演にびっくりしました。
朝ドラ以前の髙石あかりさんの演技が見たくて観たこの映画ですが、この女優さんはすでに「化けて」いるなぁ、と改めて感じました。
タイトルの通り、夏に公開した映画のため、私の住む関東ではまだ上映されている映画館が少なく、わざわざ大宮まで行ってきました。
映画だけなら行かなかったかもしれないのですが、沿線にもうひとつ前から行きたかった場所があったので、思い切って出かけました。「行ける時に行きたいところに行ったほうがいいよ」というオットの言葉にも後押しされ、お出かけが続いていますが、上映が残り2日だったので「えいやっ」と行ってきたのです。
初めて降りる大宮駅は新幹線も停まるし、駅前にデパートもあり、高層マンションやビルが立ち並ぶ大都市なのに、なぜかのんびりとした雰囲気がして住みやすそうだと好感を持ちました。


歩いて行ける場所にこんな素敵な映画館があるってすごくいいですよね。
この後に行った場所もとてもいいところだったので、埼玉に住むのもいいなぁと思ったのでした(^^)