年の瀬から読み始めて正月のあいだ楽しんだ本は、
東京のぼる坂くだる坂 ほしおさなえ/著 でした。
実際にある坂がお話しの舞台になっているので
東京散歩のガイドブックのようでもありました。
そんな番組が2021年のNHKで放送されていたのを発見!
そこはかと主人公の父親に「岩本素白」「永井荷風」「池内紀」などが重なります。ほしのさなえさんも彼らの作品がお好きなのかしら~?
おはなしの設定がとても不思議なんです。
今はアラフォーの娘(出版社勤務)は母親と平らな町に二人暮らし。小学生のときに離別した父親は名前の付いた坂の近くが好きで引越しを繰り返し、その住所を分かれた娘に転居通知を出し続けてその後亡くなり遺言状にも住まいした坂の名前を連ねてあり、父が亡くなった後に娘はその坂を巡っていき、、、。
お父さん、なぜそんなに坂が好きなの?
どうして名前のある坂でないとだめなの?
主人公も読んでいるワタシも疑問のまま。
読了し、その答えがみつかったとはいえないけれど
あの坂、この坂、行ったことのある坂もない坂も
この本を読むと歩いてみたくなります。
文末にお散歩mapもついています。
馴染みのある土地が多かったので
楽しく読み終えたけれど土地勘がないと
お話しの世界に入り込むのは大変かもしれません。
そしてお話しの中に連歌のことや池上本門寺ちかくの坂も登場していて「言葉の国のお菓子番」と重なるところがありました。
読んでいて楽しかったのは「言葉の国の~」のスピンオフドラマのようだったからだと思います。
坂だけというわけではないけれど、
散歩をテーマにした作品っていがいとあるのですよね。
「じい散歩」という作品で散歩をからめて
老人のことをうまく描いていました。
文学散歩ではなくて、散歩文学。
去年は「手紙文学」に出会いましたが、今年は「散歩文学」です。
いろんなテーマの小説があるものですねぇ。
だから読書って飽きないのですね^-^
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