「いのくまさん」と呼ばれることもあるからか
とてもおちゃめなイメージのある画家さんです。
「顔80」や「猫たち」などの作風のイメージが強かったのですが
第一章 初期作品
第二章 パリ時代
第三章 戦中戦後
第四章 ニューヨーク時代
第五章 ハワイ時代
第六章 デザインの仕事
第七章 画家のアトリエ
章ごとに違う作風が並んでいて
同じ画家が描いたとは思えず、びっくりしました。
8月に読んだ(見た)猪熊さんのコレクションを集めた
「物物」にも載っていた小物たちも並んでいてほっこり。
一時は1ダース(12匹)も一緒に暮らしていたという猫好き。
猫ちゃんが描かれた作品がたくさんありました。
100点ほどの作品が並びその多くが大作でしたが、
いちばん心に残ったのは、小説新潮の表紙絵として描かれた
題名不詳の花の絵でした。
ポピーのようなデイジーのようなオレンジ色の丸い花が
描かれた15x11㎝の小さな絵でした。
茎の緑の部分もサーっと何本も描き
花の部分はポンポンっとリズミカルに踊っているように咲いています。
簡単に描いていそうで、
この形に仕上げるには何度も下書きをしたのでしょうか。
それとも一気にサラッと描き上げたのでしょうか。
そのときのアトリエの様子を覗いてみたいと思いました。
そして、小さい作品だから、これを部屋に飾ってみたいな~と
身近なものに感じました。
美術館の前に広がる東京湾の景色も見どころのひとつです。
自然と芸術が融合した美術館を存分に楽しむことができました。