ほとんど記憶のない女 リディア・ディヴィス/著
タイトルのこの一編を読んだだけなのですが、
無限ループにはまったように感じました。
あるほとんど記憶のない女は本を読むのが好きで
読みながら良いメモを取った。
そのメモをとったノートを後から読み返すも
ほとんどが未知のものだった。
かつて考えたことであっても今は考えていないし、
考えたことも覚えていない。
たとえ考えたことを覚えていてもそれが
今だったのか、かつて一度だけ考えていたものだったのか、、、、、。
先日の「らくがき」はノートの隅に描かれた未知のものでした。
本を読んでいていい言葉だなとノートに書き留める。
すぐに書くこともあれば、後で書こうと思って忘れてしまうこともある。
たいがいは、忘れてしまうほうが多いけれど、
少ないメモの中に初めて目にするような言葉に出会うことがある。
まるで、「ほとんど記憶のない女」のように。
記憶がなくても、感情はあるから。
見て、聞いて感じたことを
年齢として蓄積するためにはきちんと消化する。
今まで経験したことは、嫌だったことも
病気になったことも
落ち込んで泣いたことも
すべて自分に必要だったこと。
本の読み初めになんだか、こんな気持ちが沸き上がりました。
さて、続きを読むとしましょうか。