上野リチ ウィーンからきたデザイン・ファンタジー展に
行ってきました。
リチさんのことを知らなかったのになぜか気にかかる
何か引っかかるものを感じていました。
上野リチ・リックスは京都出身の建築家・上野伊三郎と結婚します。
上野伊三郎のことは建築家だということは知っていましたが
その妻がリチさんだとは知りませんでした。
展示会で活動年表を見ていると
高崎の群馬県工芸所で働いていたというのを読み
気にかかっていたことがはっきりしました。
上野伊三郎はブルーノ・タウトを日本に呼び寄せ世話をした人だったのです。
高崎という文字を見た時にピンときました。
竹や和紙などの日本の素材を生かした家具や工芸品をデザインしました。
来日後すぐに上野伊三郎に連れられ桂離宮を観覧し、その美しさを称賛しました。
「泣きたくなるなるほど美しい」という言葉が浮かびます。
いっぽうで日光東照宮のことを「キッチュ(いかもの)」と評します。
高崎の工芸所では上野リチさんとタウトは反りが合わなかったと
紹介されていましたが、デザインのジャンルが異なる二人だったのですね。
タウトが設計し日本に唯一現存する「旧日向熱海別邸」を
Hapoさん(母)に誘われて見学に行ったことがあります。
相模湾を望む高台の斜面に建つその家の地下室部分をタウトが設計しています。
社交室というその場所は特徴的なデザインでした。
天井から吊るされた電球は漁火のようだったし、
雛段状に作られていた客間からの海の眺めもなかなかの物でした。
あの空間を見たことでブルーノ・タウトを記憶していました。
もしかしたら上野伊三郎・リチ夫妻も相模湾を望む部屋で
くつろいでいたことがあるのかもしれません。
その「旧日向熱海別邸」が2022年夏ごろに大規模保全修繕を終え
再公開される予定です。
修繕後の日向別邸へもいつか足を運んでみたいと思います。
ブルーノ・タウト~上野伊三郎~上野リチが
つながっていきました。
記憶の断片が埋まったら、
リチさんの可愛いデザインたちがますますカワイク見えて
キュンキュンしながら展示を見ていきました。
展示内容のことは、改めて書きたいと思います。