稲取の散策をしていて、すてきな出会いがありました。
帰りの電車の時間が近づいて駅までの道を急いで歩いていたら
「おにぎり」の暖簾のお店の前を通りました。
個人のお店でおにぎりの専門店って珍しいなと思いつつも
そのまま行き過ぎたのですが、ちょっと気になって戻ってみました。
お昼時はとうに過ぎているのでショウケースの中には
「太巻き」しか残っていません。
今夜のご飯にしようかと3切れ入り¥230を買い求めました。
ご高齢の女性がお一人で切り盛りされているご様子です。
お代を払って、店先にあった吊るし雛が見事だったので
写真を撮っていいですか?と伺うと、
「どうぞ~。それ私が作ったものなのよ~」と笑顔でおっしゃいます。
全体をうまく写せなかったのですが、
いろいろな種類の細工があって
その中でも鶴のくちばしの細かさがすごいですね~と感心していると、
「これ、稲取に来た記念に一個もって行ってね。」と
かごの中にあるたくさんの細工の鞠を見せてくれます。
遠慮していると
「いいのよ。楽しみなんだから、ほら。」と
手渡してくださいます。
では、遠慮なく頂きます。
ありがとうございます。
すごく、すごく嬉しいです。
この日いちばんの笑顔でお礼を言いました。
通り過ぎてしまったら出会えなかった方に
「楽しみなんだから」と分けて頂いた細工物は
幸せもいっしょに分けて頂いた気分です。
さっそくカバンにつけて歩いたら
この小さな鞠ほどの幸せで十分なのだと思えてきました。
一人で食べたその日の夕飯の太巻きはもちろんおいしくて
今度はオットと一緒に食べたいし、ほかのおにぎりも気になります。
次はオットと共に稲取散策を楽しめますように。
そう思えるのもささやか幸せです。