老母の握力

介護の入り口。老母(ローボ)と老娘(ロームス)のつれづれ。

街と山のあいだ

若菜晃子さんの「街と山のあいだ」を再読しました。

 

登ったことのある山や、懐かしい地名が出てくると、

その土地へ心が飛んでいきます。

 

「低山を歩くときは、ただ山のなかでいくぶんぼんやりと過ごすだけで帰ってくる。

それでいいと思っている。それをしに行くのだから。

なにをするでもなく、ただ山を歩きに行くだけなのだ。」

 

と、「低山の魅力」に書かれている。

 

好きなように時間を過ごすころができる、低山歩きならではの楽しみ方だと思う。

 

ワタシが、もっぱら低山歩きを好むのは標高の高い山を登るだけの知識と体力が無いことは、もちろんのことながら、低山歩きのぼんやりとした時間を過ごすことがとても心地よいと感じているからだと思う。

 

「自然は街のなかでも私達とは違う時間の流れを生きていて、そのことをいつも黙って伝えている。私はそのたよりを忘れずに受け取りたいと思うだけなのだ。」

 

 

 

串田孫一先生とのエピソードを書いた章も嬉しい。

 

~小さなトゲが刺さったままの思い出が残る高ボッチでのこと。

 

~高尾山へ向かう電車の中でのこと。

 

書き留めなければ忘れてしまいそうなことを、忘れずに書き留めてくれている

若菜さんのたよりを受け取りたいと思いながら、読みすすむ。

読むというより本の中を散歩している気分になってくる。

 

そういう気分を味わいたくて何度も手にする本がある幸せ。