佐藤雅晴 尾行―存在の不在/不在の存在
ピアノと映像を使った「福島尾行」2018年制作
「尾行」って、すごいタイトルだなと思いながら、
映画「物置のピアノ」(2014年制作)のことを思い出しました。
物置にあるピアノを弾く時間が心の支えになっている17歳の次女が軸になって
福島の桃農家の小さな家族の物語が描かれています。
「桑折町」を「こおりまち」とすんなり読めたのは、
2019年5月にその地を旅したことがあるからです。
桑折町の桃は「献上桃」として有名で、訪ねたときには花は終わっていましたが
阿武隈川の土手からは一面の桃畑を見渡せました。
ちょうど平成から令和になるときで、TVの取材もあったようでした。
畑で作業していた方に、
「まだ実がなっていなくて残念だな~、うちの果物は林檎も桃もぜんぶ美味しいんだ。花は食べられないけれど、好きなだけ見ていきな~」と声をかけて頂き、畑の中を散策したのが懐かしい。実がなる時季にまた行きたいね、とオットと話しているものの、まだ実現していません。
「福島尾行」の展示会は現在、大分県県立美術館で開催されています。
ここも2019年秋に旅した思い出のところ。
「福島尾行」の作品の中に、ピアノが使われていなかったら、
映画や桑折町に、思いを巡らすことはなかったかもしれません。
ピアノと桃と福島と、大分と、、、。
テレビ番組をきっかけに邂逅の時を過ごしました。
美術展は巡回するようなので、そちらへも行ってみたいなと思っています。