ある休日の夜。
その日は昼間に里山公園を3時間ほど散歩していたので
心地よい眠りにつけそうだった。
ウトウトしだして30分ほど経ったとき、
「ピシッ!」という音で目が覚めた。
線が切れたような、電気のブレーカーが切れたような音。
気になって部屋の明かりを点けて見回すも何も変わった様子がない。
それに灯りも点いた。
部屋を明るくしたせいで、ウトウト~の世界から引き戻されてしまった。
仕方ないので、枕元にあった本を読む。
1時間ほどして、ふたたびのウトウト~がやってきた。
灯を消して、眠りにつこうと思うも、
肩が布団から出ていたからか、体が少し冷え尿意をもよおす。
布団からえいやっと抜け出し用を足しに行く。
手を洗おうと薄暗い洗面台へ行くと、
なにやら細い棒のようなものが転がっている。
思わず手を引っ込めて、その物体を見入ると
それは、、、、
オットの歯ブラシだった。
歯ブラシスタンドから抜け落ちたらしい。
2日ほど前に新しい歯ブラシに替えたが、
以前より柄が少し太くなって
突き刺すタイプの歯ブラシスタンドへの収まりが悪かった。
ああ、
1時間前の
「ピシッ」という音は、
歯ブラシが洗面台へ落ちた音だったのか。
眠りの種が弾けた音の正体がわかった。
1時間の間に読んだ本は、
平松洋子の
「買えない味3 おいしさのタネ」
どこを読んでも、リズムにあふれる文章が心地よい。
オチの良さも心地よい。
そんな心地よさに包まれて、
おいしさのタネは、
眠りのタネに代わってくれたのでした。
年の瀬読書、平松洋子さんの本でウォーミングアップ。
読書の時間は続くよ、つづく~。