今週のお題「鍋」
わが家の鍋の定番は、「常夜鍋」
材料は豚肉とほうれん草だけ。
それをポン酢で食べる。
このふたつだけで、毎晩食べても飽きない味だから「常夜鍋」というのよ。
とHapoさんが教えてくれました。
初めて夫に作ったとき、
大感激でうまい、うまい、と食べてくれました。
シンプルイズベストの極みの料理ですよね。
たまには、豆腐やニラを加えてアレンジすることもありますが、
やはりぶた肉とほうれん草だけの方が好みです。
いまは、我が家の常になってしまったので昔のように
夫の「うまい、うまい」の連呼はないものの、
もくもくと食べているので美味しいことには変わりないのでしょう。
美味しいことは変わらなくても、環境が変わり、
コロナ禍でひとつの鍋を囲むことを避けたほうがいいようですが、
美味しいものを一緒に食べることが、当たり前の日常であり続けたいですね。
鍋の料理に加えて、「鍋」そのものの思い出がひとつあります。
私が小学生のころ、Hapoさん(母)が町内会の旅行で信楽焼の里へ行きました。
その時のお土産が大きな土鍋。
割れないように大事に大事に抱えて帰ってきました。
買って帰って、すぐに使えるものかと思ったら、
最初にお粥を炊いて、目止めをしました。
「こうすると割れにくくて、汚れにくくなるのよ。
あと、土鍋が濡れているときは絶対に火にかけないこと。
割れちゃうからね。」
その土鍋は私が大人になるまで使っていました。
子供としては、土鍋よりお菓子のほうが嬉しいお土産だったと思うのですが、
今となっては生活の知恵を授けてくれた土鍋は
一生もののお土産だったなと思います。
一生ものといえば、その時、もう一つのお土産がありました。
それは、
「人生ゲーム」
当時、大流行していたボードゲームです。
信楽で売っているわけではないのに、なぜ?
実は、「お土産は何がいい?」と聞かれ
二番目の兄が「お菓子はいらないから人生ゲームをお土産に欲しい」と
リクエストしていたのです。
他の3人の兄妹は、「え~~~?!」と思いましたが、
普段だったらぜったい買ってもらえないゲームを今なら買ってもらえるかもしれない、という二兄の提案にしぶしぶ同意したのです。
その約束を母はちゃんと守ってくれて、お土産とはいいがたいのですが
近所のおもちゃ屋さんで買って帰ってくれました。
信楽の土鍋を見ると思い出す人生ゲーム。
鍋といえば、人生ゲーム。
両手に鍋と人生ゲームを抱えて帰ってきた母の笑顔を思い出します。