老母の握力

介護の入り口。老母(ローボ)と老娘(ロームス)のつれづれ。

忘れられない名前

忘れられない名前、それは、

 

デルス ウザーラ

 

この名前を聞いて、

「ああ。知ってる。」と言う人に未だ会ったことがない。

 

ただ一度だけ雑誌の寄稿文の中にその名前を見つけたときは、

ああ、同志が居たと嬉しかったのは、もう何年も前のこと。

 

それが、ある作家の小品を読みたくて図書館から本を借り

目的の作品を読み終わり、ほかの作品も読んでみようと

頁をぱらぱらしていると、

 

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デルスウ・ウザーラ

「デルスウ・ウザーラ」の文字が!

 

 

忘れらないのは、映画「デルス・ウザーラ」のこと。

 

中学2年の時に観たその映画の鮮烈さは今も心に残っている。

 

どんな俳優で、どんな顔をした人かは覚えていないけれど、

描かれたシベリア奥地の風景や自然の厳しさに驚いた。

測量のために探検家は現地の案内のためにデルスを雇う。

旅の間の二人の交流、文化の違い。

それでも年の離れた二人が深く絆を結ぶ。

測量を終え、町に住むことになったデルス・ウザーラ

ベッドのある部屋でも床に寝て、

水や薪にお金を払い、町では銃を撃てないことに

ストレスをかかえ、そして森に帰っていく。

 

そしてその結末の悲しさを思い出すと今でも涙がにじむ。

 

日本とロシアの合作映画で黒澤明監督の作品だということを知ったのは

ずっと後のこと。

 

そして、この映画に原作があったとは思いもよらなかったこと。

 

黒澤監督のオリジナルだとばかり思ってたし、

私にとっては、そのことにはあまり意味のないことだったので

調べもしなかったし、当時は調べる術も今ほど容易ではなかった。

 

それが、突然の原作との出会いにびっくり。

 

名前は忘れていないけれど、忘れていた筋書きを思い出し

デルスが町に来たきっかけを思い出す。

 

そして人の幸せや価値観はそれぞれ違う。

 

そのことをもう一度教えてもらった。

 

心に響く作品にもう一度出会えてよかった。